2,500キロにおよぶ海岸線を持つモザンビークには、ここでしか見られない海の絶景が多く存在する。
その代表格が、バザルト諸島に延々と広がる白い砂州だろう。

ザンベジ河から運ばれる石英が透明度の高い海水と混じり、白と青のグラデーションを生み出す。
潮位によって表情を変えるこの光景には、誰もが目を奪われてしまう。
モザンビーク海峡特有の《渦を巻く海流》が海洋深層水を巻き上げ、栄養分を表層まで運ぶ。
その結果、世界でも類をみないほど豊かな海域が形成された。

モザンビークの珊瑚礁はグレートバリアリーフに次ぐ規模とされるが、グレートバリアリーフの珊瑚は
近年死滅しつつあるために《生きている珊瑚礁としては世界最大》とする説もある。

この珊瑚礁はイルカ・マンタ・クジラ・ジュゴンなどがみられる、多様な生き物たちの天国だ。
世界中からのダイバーがモザンビークに集まり、この海に惚れ込み移住する者もいる。

中南部海域にある風変わりな潮吹き岩は、荒々しい波が作った自然の大噴水。
荒波が押し寄せる度に2メートルを超える無数の水柱が立つが、その存在はほとんど知られていない。
ここのビーチには極上の波がたっており、世界ランク上位のサーファーも訪れるという。

日本ではまだ知名度が低いモザンビークには、知られざる絶景が隠されている。
