アフリカでは太古から日常的に野生動物の狩りが行われてきたが、
各国の政府が野生動物を保護するようになった近年、狩りは簡単ではなくなってしまった。
それでも今なお、動物の狩りを生業とするハンターたちが存在する。

狩りは宗教儀式と密接に関連しており、森に入る前には必ず祭壇に祈りや生贄を捧げる。
『動物たちを我々の前に出してください。獲物が獲れますように。我々をお守りください。』

ハンターたちはお守りを身に着け、地面に武器を置き、酒をかけて精霊の加護を求める。
夜の狩りでは危険な霊が来ることがあるという。『奴らは昼間は来ない。夜だけやって来るんだ。』

犬は狩りの大切な伴侶だ。森に入る前に特別な呪術品を犬の目に塗る。
こうすることで犬はより目が良くなり、鼻が利き、獲物を見つけられるようになるという。

現代のハンターたちは、弓矢ではなく銃やナタを使って動物を狩る。
狙うのはガゼルやドイカーなどの小型アンテロープ類、大ネズミやウサギ、ヘビなどの小型生物だ。

森の中へ入ると大声で動物を追いかけ、ナタで草を切り開き、銃を構える者のほうへ獲物を誘導する。
取材時にはドイカーや大ネズミ、ウサギなど4匹の動物が獲れた。今日の狩りは成功だ。

狩りの後は動物の皮を剥ぎ火で肉をあぶって、神に感謝を捧げてから帰路につく。

野生動物の肉は《ブッシュミート》と呼ばれ、特別な力を持っているとされて高く売れるのだ。