【ヒンバ~伝統を守り続ける民族】
ヒンバはアフリカ人の中でも特に女性の顔立ち、容姿が美しいと言われる人々だ。

西洋の文化を頑なに拒否し、体に赤石の粉を塗り、牛に全てを頼るという伝統的な放牧生活を守り続けた。
女性は赤石とバターを混ぜたものを顔や体・髪に塗り、強い日差しや埃を防ぐ。

彼女らの髪型からは既に初潮が来ているのか、また結婚しているのかを知ることができる。
今もヒンバの女性は服を着ることを恥と考え、腰みの一枚で暮らしている。

【ヘレロ~衣替えした民族】
いっぽう、目の覚めるようなカラフルな衣装をまとったヘレロの女性たち。
酷暑の中でも常に足首までの長いスカートを着、牛の角をかたどった横長帽子をかぶる。

ヘレロはヒンバと元々共同で生活しており、両者はまったく同じ言語を話し、似たような伝統衣装や文化を持っていた。
1940年ごろに撮られたヘレロの写真
しかしヘレロは19世紀中ばに入植してきたキリスト教の宣教師達の影響を受け、伝統衣装を捨て洋服に衣替えした。
《女性が肌を出すのは良くない》というキリスト教の教えに従ったためである。

当時白人女性たちが来ていたビクトリア調洋服が、ヘレロの独特な民族衣装となった。
今では自分たちを模った人形を観光客に売り、貴重な現金収入とするヘレロの女性たちも多い。

『ヒンバの伝統はあと5年で失われる』という専門家もいるほど、文明の浸透は早い。
独自のヒンバの文化は、アフリカの中でも貴重なものである。
