エチオピアの首都アジスアベバを訪れるたび、この街が驚くほどの速さで近代化していることを実感します。
この変貌のほとんどは、中国のアフリカ進出に伴う支援によるものです。

アジスアベバを走る近代的なライトレールは、中国鉄路総公司の協力によって建設されました。
電力不足のために止まることもあるそうですが、それでも今まで車やバスで通勤していた人々の足になり
渋滞の緩和にも繫がっておおいに市民の役に立っています。

アフリカ連合の本部ビルは、中国が『アフリカの首脳たちのために』と工費を全額負担して建設しました。
このビルの通信設備やコンピュータシステムを通じて中国が諜報活動を行っている、という報道もあります。

国際空港や市内の主要な道路など、アジスアベバの新しいインフラのほとんどが中国によるもの。

エチオピア政府や国民にとって、中国は【なんでも助けてくれる】素晴らしい友好国なのです。
最近エチオピアに行くと『どうして日本は中国のように支援してくれないのか?』とよく聞かれ、
日本人の肩身がどんどん狭くなっていくことを感じます・・・
中国はこれから先も、アジスアベバで様々な都市計画を進めています。
現在建設中の大きなスタジアムも、中国によるもの。

今年完成予定のコマーシャルバンク本社ビルは、46階建て198m。
完成すると東アフリカで一番高くなるこのビルも、中国が建てています。

そして、将来的には99階建て448mの超高層ビルを建てる計画まで・・・

これは今後、中国がアジスアベバに作ろうとしているビルのリスト。

左から5番目が、今年完成予定の46階建てコマーシャルバンク本社ビル。
今後この街にどれほど大きな建造物を作ろうとしているのかがわかります。
中国の急接近はエチオピアだけではなく、様々なアフリカの国々でも同じようなことが起きています。
しかし中国によるアフリカ支援は、慈善的な理想主義によるものではありません。
急成長する自国の経済に対応するために必要不可欠な、石油や鉄鉱石などの資源が目当てです。
アフリカの政府や人々は資源を盗られることを知りつつも、国の将来を鑑みる余裕がなく
中国からの援助を受け入れているように思えます。

近い将来、アフリカの資源が中国に食い尽くされてしまうことが心配でなりません。