現地で【マラブー】と呼ばれるアフリカハゲコウは、アフリカで広く見られるコウノトリ科の鳥。
最大体高150センチ、翼を広げると2.5メートルにもなる大型の鳥であり、空を飛ぶ姿は優美である。

しかしこの鳥、近くで見てみると非常に醜い姿をしている。
頭の毛が少なく皮膚が裸出し、長く垂れ下がったピンクの喉袋を持つ。
悪魔の使いのような姿であり《不吉な予感がする》と忌み嫌う人々も多い。

自然界では腐肉や糞便を食べ、ハゲタカやハイエナと競合して死肉を漁る。
都市部においてはカラスのようにゴミ捨て場を荒らす姿を見かける。

飲み込めるサイズのものをなんでも食べようとするらしく、靴や金属片でさえ食べてしまうという。
餌を取り上げようとすると凶暴になることでも知られ、危害を加えた子供が死亡する事故も発生している。

そんな嫌われ者のマラブーに餌をあげてみると・・・
躯体が大きいだけになかなかの迫力。

餌を独り占めする強欲なもの、空中で餌を獲り合うもの、くちばしをカツカツ鳴らして餌をねだるもの。
物欲しそうに見ているものや犬に怯えるもの、警戒しながらも近づいてくるものなど。

マラブーもそれぞれに個性が豊かであり、巨大な怪鳥が少しだけ可愛く思えてくる。